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2009年6月19日 (金)

私が子供のころ、蛍はすでに「珍しい存在」だった。
「昔はあちこちで飛んでいたんだよ」と言われ、日常の風物詩だった蛍。
しかし、経済成長の影響から、河川が汚されたり、護岸改修などが行われ流れが速くなってしまった結果、蛍の成育にはきわめて不利な状況が出来上がってしまった。

「蛍の舞い飛ぶ姿が見たい!」と、蛍の生育に力を入れてきた人々の努力の結果、再び野山に舞う蛍の姿が見られるようになったのは嬉しい事だ。
私などの「高度経済成長ただなか」で、生まれ育ってきた人間には「懐かしい」という感慨は無いのだけど、あの頼りなく、ふわふわと輝きながら飛ぶ姿を見ていると、心の奥のほうで「大事なもの」の姿や、その存在が朧気に浮かんでくるような気がする。

蛍は、人間などの種と比較して、その生涯が極めて短い生き物だ。
幼虫時は川に棲み、カワニナなどの巻貝を主食にしながら生育する。
その後陸に上がり、サナギとなった後羽化し、成虫になってから約10日間生き続ける。
「たった10日」の期間の間に交尾し、産卵をして、生涯を終える。
…ダラダラと何十年間も生き続ける事が可能な人間から見ると、種の違いがあるのは当たり前としても「儚いなぁ」と思わざるを得ない。
生存期間の長さが「生」の懸命さと比例しないのは確かだけど、その「儚さ」は何かを我々に伝えてくれる。
エコだの、自然保護だのと「声高に」叫ばれる言葉に埋もれてしまいそうな「小さな声」だけど、それは何か、人類にとってとても大事な「言葉」のような気がする。

今年は蛍を見に行こうかな?と何年かぶりに思っている。

「火垂るや火垂る てのひらに その軽さ あかあかと有りて」

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