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2010年7月18日 (日)

「言葉」「外は白い雪の夜」 吉田拓郎

例えば「恋愛の情景」というものを、なにがしかの「道具」を使って表現することは簡単です。
「君は「薄い愛は嫌いよ」と水割りのグラスを撫でる」
…なんぞと書くと(笑)結構色っぽかったりする…しますよね?(汗)。
Barの「とまり木」で飲む二人の「それから」を想起させるようです。

作詞は「インスピレーション」であり「アソシエーション」でもあります。
何かの物事に相対した時に感じる「霊感」のようなものと、そこから連想される様々な言葉が、詞を作らせます。

「佐野元春」さんがNHKの番組「ザ・ソングライターズ」でパーソナリティーをなされていた時に「さだまさし」さんがゲストに呼ばれたことがありました。
その時に「作詞の方法」をスタジオの観客に問われたさださんは
「「好きな人と、その人にまつわること」を思い起こして欲しい」とし、大変に丁寧なレクチャーをされていたのが印象深かったです。
彼の「深い優しさ」が見えるようなひとときでした。

この場合は「好きな人」というのが「主題」になっているわけですが、主題になるのは別に固有な人や場所だけではありません。
感じた物事を主題に据えて、そこから連想していく…物語を作っていく、という手法もあります。
初期のさださんの作品には、そういったものが多い気がしますね(「檸檬」などはそうでしょう)。


さて、拓郎の「言葉」ですが
言葉 吉田拓郎 歌詞情報 - goo 音楽

これは「そういった手法を使わない」ストレートな情景を綴ったものです。
彼女に向け「告白」の電話をしている男の、心理描写を織り交ぜながら、なおかつ松本作品では王道の「情景描写」を抑えたものになっています。

この歌を聞くと、本当に胸が痛くなる思いがします。
恋愛は、本当に最初のころは、相手のことなど「お構いなし」の、幼いものでしか無いのですが、数々の恋愛をくぐり抜けていく間に無数についた「心の傷」を感じるようになってくると「愛してる」のたった5文字が本当に「苦しい」のですね。
これはその「心の痛み」を知ってしまった男女の「恋のはじめ」の物語…恋愛小説の冒頭の一節なのです。

同じ「松本:拓郎作品」の中に「外は白い雪の夜」
外は白い雪の夜 吉田拓郎 歌詞情報 - goo 音楽

というのがあります。
「言葉」が最初の始まりならば、これは「終わり」の歌です。
恋愛は「フェードイン」で始まり「フェードアウト」で終わる、というのが、まぁ、ほとんどの「恋の形」と言えるでしょうか。
中には「フォールインラブ」して、そのまま「堕ちる果て無く」どこまでも行ってしまう人達もいるんでしょうけど。

偶然なのか必然なのかはわかりませんが「言葉」での場面は「明け方の一本の電話」から始まっています。
それに対して「外は…」の方は「夜更け前」の電話で、落ち合う店の名前を教えられていますね。
恋の始まりは「夜明け前」であって、恋の終わりは「白い雪降る闇の中」というのは、いかにも松本作品らしい「対比の美学」でしょうか。

しかし、この2つの歌を聞いていると
「恋は始まりが一番気持ちが痛むんだなぁ」と思います。
失恋の傷はやがて癒えますし、白い雪に埋もれるようにして消えていきます。
思い出もそうだし「ふたりの恋愛場面」も、もう「そこ」には存在しないのですから。
…恋は本当に「刃物を持った抱きあい」なのですね…。

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