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2010年8月14日 (土)

卒業の詞「制服」 松田聖子

卒業がテーマになった松本作品ということで、いくつかピックアップしてみることにした。
ひとつめが松田聖子の「制服」。

制服 松田聖子 歌詞情報 - goo 音楽

作詞:松本隆 作曲:呉田軽穂というコンビになっている。
「小麦色のマーメイド」のときにも書いたが、呉田の軽快かつ流れるようなメロディーが、松本の詞の「ピュアー」な場所を良く支えていると思う。

この作品には、実は松本作品には色濃く出ている「言葉遊び」が殆ど無い。
これはテーマを考えるなら、さもあらん、という気もする。
卒業という純粋で、なおかつ、厳かな空間には、遊びの要素は不似合いだからだ。
冒頭の「卒業証書抱いた 傘の波に揉まれながら」の部分に、らしさを感じるにとどまっている。


しかし「卒業」というと、いくつもの歌が思い起こされるけれど、凡そ「雨の卒業式」というのは、記憶にない。
実際、私の記憶の中でも、卒業式が雨だったという記憶はなかった。
3月上旬という季節は、まだ多雨の時期ではないからだろう。

雨というものは、川の流れと同じく「洗い流す」という意味も持つ。
これは日本人の自然意識の中でも旧いものと言えるだろうが、この作品中では「雨」というものを「今までの思い出を流すもの」として、決別の意味を込めて使っている。

「別れ」というものは「出会い」そして「再生」の始まりでもある。
桜の樹の蕾が、雨にぬれて大きく成長していくように、新たな生活の中で春を迎えて、桜咲く中での活躍を誓い、そして祈る「彼女」の強さが心に沁みる。


後半に急激に転調する方法は「九月の雨」でも使われていた。
松本にとっての「雨」というものは、別れというテーマを語る上で、とても近しいものなのかもしれない。

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