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2014年4月18日 (金)

「ルビーの指環」を見つめなおす

私の主な仕事は、車の運転だ。
人を乗せ走るときもあるが、大半の時間は一人きりでの移動ということになる。

今朝もそういう状態だったが、何故だか急に「ルビーの指環」を歌いたくなって、車中で歌っていた。
「♪くもり硝子の向こうは…」というのが、今日の天気に似合ってるからということなのだろうか?。
…ちなみに「指環」であって「指輪」ではない。
また「ガラス」のことを「硝子」と漢字書きするのも、作詞者である「松本隆」の好みだろう。

さて「ルビーの指環」だが、これもまた「松本隆」らしい「言葉遊び」が随所に散りばめられている作品だ。

この作品、とても「色」というものを意識して作られているのがわかる。
「ルビー」「ベージュ」という具体的な色名が使われているだけでなく、「紅茶」というものから「茶色(琥珀色)」の想起があり…そして「硝子」に音が似ている「ガランス」という単語は、仏語では「茜色」のことを指す。
…彼は私の記憶では「仏語本の翻訳」をしていた時期もあったはずだから、当然こういった知識もあったろう。
これらの色がみな「暖色系」で揃えられているところは、大変に興味深いものが有る。


ルビーは誕生石で言えば「7月」の石である。
詩中では、主人公の男は「8月」にプロポーズをし、そしてその後、おそらくは結ばれた後、二年の月日の経過を経て、愛を終結させている。

これは「性急な愛」を物語っているのではないか。
誕生石を聞き、その後のプロポーズまでに「1ヶ月」しか要していないわけだから(もちろん1年後とかも有るのだけど…)まさしくルビーの「石言葉」である「熱情」と合致する。

ルビーや「茜色」がくすんで、色が抜け落ちていく中で「ベージュ」のような落ち着いた、もしくは「もの寂しい」色彩に変わっていく。
これは「さめた紅茶」の符号と一致する。
二年間の月日の中で、くすみ落ちていった「愛」という名の情熱。
鮮やかな赤色は、やがてベージュのような「ひたすらに薄い赤」となる。
…季節は、紅葉落ち果てる「初冬」というところか?。
風が吹き抜ける町には、最早鮮やかな色彩は見ることが出来ない。


当時、まだ青少年だった私は「ルビーの指環を捨てるだって!なんと勿体無いことを!」などと下世話に考えるのが関の山だった。
今でも確かに「勿体無いなー」とは感じるけれど、幾度かの悲しい恋を経てきているから「そういうこともあるかも知れないな」と、想像を巡らせるくらいの精神的猶予はあると感じる。

終わった恋に「熱情」は似合わない。
捨てるなり、換金するなり(笑)しても、まあ、バチは当たるまいか?。

…ちなみ、もうひとつ「遊び」があるとしたら…この「ルビーの指環」のイメージは、かの「石原裕次郎」と「渡哲也」の「二枚看板」を有してきた「石原プロ」に寺尾聡も所属していた、というところに有るのではないだろうか?。
あくまでも推測でしか無いが、裕次郎の「赤いハンカチ」そして、渡の「くちなしの花」という「二大ヒット曲」からのイメージ…「赤」と「指環」という「印象的なワード」をハイブリッドさせた作品なのかもしれない。
…あくまでも推測にすぎないのだけれど(汗)。

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コメント

こんにちは。「ルビーの指環」良いですね。
細身に黒のジャケットを着た寺尾聰がギターを低く構えながら歌う姿にちょっと憧れました。

あらためて松本隆による歌詞をじっくり読みました。
モノクロームの情景の中にルビーの深紅だけが浮かび上がってくるような感じですね。
「背中を丸めながら指のリング抜き取ったね」とか、
「そうね、誕生石ならルビーなの」とか、
「街でベージュのコートを見かけると、指にルビーのリングを探すのさ」などのフレーズが好きです(笑)

>澤田豊さん

「ザ・ベストテン」で12週連続一位(!)という記録を打ち立てたんですよね?。
これはもう、最長不倒でしょうね。
ギネスとかに載らないのでしょうか?。

「出航 SASURAI」も、いい曲ですね。
http://www.uta-net.com/song/2521/
…最近は「歌唱力ある人」はたくさんいるけど「歌を聞かせる人」が、本当に少ないのが寂しいところです。

>…最近は「歌唱力ある人」はたくさんいるけど「歌を聞かせる人」が、本当に少ないのが寂しいところです。

同意(笑)
技術があるのと他人を感動させるのは、また別物ですね。

「ザ・ベストテン」私も見てました!!!
確かにギネスもんです!

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