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2017年11月 2日 (木)

松本隆「魔☆」紫綬褒章受章、おめでとうございます!

「松本隆 紫綬褒章受章!」

…ということで、おめでとうございます!。
暫く書いていなかったカテゴリーですが、受賞記念ではないですが、書いてみたくなりました。

私の青春時代を彩る「歌」…数々の歌がありましたが、それは「作詞家」で大きく二分できます。
中学時代から高校生まで、その多くの歌を手掛けてきたのが「阿久悠」さん。
そして、高校時代から二十代前半までが「松本隆」さんです。

阿久さんは「ピンクレディー」や「沢田研二」などの歌を手掛けた大ヒットメーカーです。
その歌詞は、とてもキャッチーな趣が強く、商品コピーのように「生活と密着性が高い」とても人間臭いのが特徴と言えるでしょう。
絵画で言うと「油彩画」のような、ゴッホのような強さと、厚さがある歌詞だと思います。
実体感が明確で、まるで「山」のようです。

対して「松本隆」の歌詞は「風」のようです。
目に見えぬ風のように、時に暑さ寒さを、湿り気や匂いを運んでくるように、知らず知らずのうちに囁き続けてきます。
水彩絵の具がかけられた画用紙のように、向こう側がまるで透けているかのような「風景」が拡がって見える。
生活感というものはあまり感じられず、どこか避暑地のような非現実的な世界が展開されています。

阿久さんの歌は、右も左も持ち合わせのない子供に「大人の世界」を垣間見せます。
大人が作る、大人のための歌です。
子供はそんな「大人の世界」を見て、大人に憧れを抱きます。

松本さんの歌は、それよりも「自由さ」というものを主題としています。
青春を今生きる人たちに、少しだけ上の先輩が様々な「経験」を教えてあげるような。
憧れの対象が、親の世代からより身近な「先輩」の時代へシフトしていく。
リアルタイムな感覚が、松本作品の特色でしょう。


思えば「木綿のハンカチーフ」からしてそうでした。
歌謡曲の作詞として、最初の大ヒット曲である「木綿」は、まさにリアルタイムの「青春物語」でした。
ただただ爽やかであり「別れていく流れ」を綴っているのにも関わらず、ただ明るくて透明。
「ポケットいっぱいの秘密」などもそうですが、とても「オトメチック」な歌詞が、時代にマッチしたということでしょうか。

「少女コミック」の時代を経て、松本作品はその色そのままに進化していきます。
その象徴的な歌い手が「松田聖子」でしょう。
「風立ちぬ」は、日本人に馴染みが深い「五七」の文体で書かれ、そして「色彩」というものを印象的に使うことで、そのイメージを喚起させるようになっています。
俳句や和歌などのような手法に近いものがありますね。
また「モノ」というものを登場させることで、そのイメージを借りてくるというようなこともやっています。
「君は天然色」など)。


作品群と、その歌詞が時代に愛されてきたことに、驚きを隠せません。
数の多さもさることながら、時にCFの音楽として、ドラマの主題歌などとして使われ(マクロスなどのアニメ作品も)長く絶え間なく耳に入り続けてきたということは驚異的です。
紫綬褒章受章の理由も、そう言ったところにあるのだと思います。

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