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2018年9月

2018年9月 4日 (火)

シンカとカイキ

CASIO、といえば、真っ先に何が頭に浮かぶだろうか?。
「時計」…そう「Gショック」という人が多いのではないだろうか?。
私も以前使っていましたね。

それで他には?というと…団栗の背比べ。
その中でチョットだけ図抜けているのが「デジタルカメラ」だったのではないだろうか?。
「エクシリム」などの、特徴ある製品を世に送り出してきたが…残念なことに今年「生産を終了」ということに相成ってしまった。
非常に残念なことだ。

実は「CASIOのデジカメ」というものを、私は一度も今まで求めたことがなかった。
国内メーカーの製品はほぼ、全メーカーを使用してきたと思うのだが…なぜかCASIOだけが抜けていた。
理由は…自分の勝手な思い込みであり、CANONなどの「カメラメーカー」と比べれば「一歩劣っているのではないか?」という先入観があったからに他ならない。

例えば「リコー」などは、フイルム時代からカメラは作っていたし、一眼レフは私も相当買い込んだりもした。
コンデジも優れていて「CXシリーズ」などのコンデジは、保守的ファン層もいる。
「ミノルタ」は「ソニー」と合併して、カメラは作らなくなってしまったが、やはり「αシリーズ」として未だに息づいている。

CASIOはそういう意味で「独立独歩」のメーカーだったと思う。
光学屋ではなく「電気屋」がカメラを作るのだから、はて「ちゃんとした写真に成るのか?」という疑問は、つい最近に至るまで消えることは無かった。

しかし「生産中止となるならば使ってみようか?」という気持ちがあったところに、あるリサイクル店で「ジャンク」を見つけ、買い求めてしまった。
そのカメラ(ZR20)には「HDR機能」というものがついていた。
私はこの「HDR」(高速連写で露出を変えたコマを数枚撮影し、逆光などを補正する技術)というものにも懐疑的で
「あんな化け物じみた世界を撮って楽しいか?」などと思っていた。
HDRには確かに、そういった表現法もあるのだけど…実は
「より肉眼で見た世界に近い画像」を得るためにこそ、HDRというものはある」
…ということを、このカメラは教えてくれたのだった。

デジタルカメラだから、画像についても各メーカーの「こだわり」というものがある。
特にその「全体的な色合い」というものには特徴がある。
CASIOのソレは「印刷媒体などで見ると、妙に誇張された色」に見え、多分そのせいだろう、カメラマニアにはあまり喜ばれなかった気がする。
…しかし実際に購入してみると、確かに誇張はされてはいるが「不快ではない」のだ。
むしろ心地よいとさえ言ってもいい。
「自然に近い色」ではなく「感性に近い色」であり、いわゆる「記憶色」で構成されているのだ。

これは新たな発見だった。
撮った画像をレタッチするたびに感じていた「どこか合わない」という疑問。
この花の色はこんなんじゃない、この空の色はもっと強烈だったはず…という疑問がある一方で「いやしかし、そうなればそれは写真ではないんじゃないか?」という問いが、もくもくと浮かんできてしまう。

…私は以前、ほとんどの写真を「スライドフィルム」で撮っていたことがある。
ポジフィルムは、ネガフィルムより「ラチチュード」が狭い。
高コントラストに撮れるのだが、一方で全体を広く見せるような写真の場合は、それが邪魔にもなる。
プリントなどすれば、よりコントラストは強調されるが「ダイナミックでいいな」というのが、当時の私の感性だった。
まあ、若さゆえ、というところなのかもしれないなと思う。

…年を食って、激しいものが嫌になってきた。
落差が大きいことが苦痛になってきた。
それは写真でも同じで「いや、もっと普通に撮れないんだろうか?」という要望が芯から滲んでくる。
激しいコントラストの世界はもう飽きたし、影日向無く、豊かな光に包まれた世界が欲しいと思うようになる。
人生でも何でも、もう落差には飽き飽きなのだ。

HDRという技術は、シャドウを持ち上げ、ハイライトを抑えてくれる。
まるで観光ポスターのように、豊かな世界を提供してくれるのだ。
「これが自分が欲しかった画像だ!」と、ZRを使ってみてそう思った。
記憶色の色合いと、HDRのハイダイナミックレンジの世界。
それが合わさった時、昔撮っていたネガフィルムプリントの世界が蘇ってくる。
思えば長いことポジフィルムの世界に染まってきた自分だったが、それが「不必要」となった今、実は欲しい画像こそは「ネガプリント」にあり、豊かで多くの情報を内包している画像だということに気づいたのだ。

技術が進んだことで、昔に回帰することができるなんて、不思議なものだと思う。
なんとなく写真に疲れていた私だったけど、またもう少しは撮影が続けられそうな気がする。

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