老教師 かく語りき

…昔「教師生活二十五年!!」なんて言って、泣き崩れる教師が居ったなぁ。 ま、それは「漫画の中の」世界の事だけど。 それっぽく言えば「教師生活四十五年!!」なんて事になるんだけど、しかし、ワシの場合は「泣き崩れる」んじゃなくて「胸を張って空を見上げる」と…。 まぁ、こういうポーズになるというわけじゃあ…。 …色々な子が居った。 そして、様々な「クラス」があった。 「教師」というものは、例えそのクラスが自分にとって居心地が良かろうが、悪かろうが…その時々でのベストを尽くさねばならん!という「絶対条件」が有る。 「良い子」というのは、教師にとっての精神的な「助け舟」になるもので、その分、可愛く思えるもので…「悪い子」…ま「悪タレ」じゃな…は…ストレスがかさむ分「厄介な存在」と、つい認識してしまいがちじゃ…。 …しかし「その二つ」が混在しているのが「クラス」という存在(もの)で、教師は、その中で先の「絶対条件」を遵守しようとして、もがき、苦しむのじゃ。 …じゃが教師一人が、どんなにもがき、苦しんだところで、何十名もいる「個性の固まり」のような子供達を「一様に」未来に向かって押し出すことなぞ、出来るわけが無い!。 …そんなときの教師は、無力じゃ…。 「現実と責任感の板ばさみ」になって、時に安易に流れ…または、自分を見失ってしまう…。 最初の頃感じていた、教職を志した時の高揚感も霧消してしまう。 教師とは、決して楽にはなれない職業じゃ。 …じゃから、そのうち「諦めて」しまいがちになる。 それがつまり「良い子」への贔屓になったり…「悪い子」への「過剰な罰」として出て来たりする。 最近は、あまっさえ、教師自らが望んで「いじめ」に荷担したりする!!…なんと、嘆かわしい現実じゃっ!!。 …昔、そんなことは微塵も感じさせない…そんな「クラス」と「担任教師」が居ったんじゃ。 「クラス」には、弱いものいじめなど存在して居らんかった。 「担任」は、そんな「クラス」の一人一人を、本当に誇りに思って居ったものだよ。 …ん?、質問?。 …何じゃぁ…ん?…ワシャぁ最近耳が遠くて…。 「良い子揃いの…品行方正なクラスで…楽ですが」って?。 …いや!違う違う!!…そんなに「単純」な事じゃ無いんじゃ。 …話を続けましょう。 「クラス」の生徒達…それはそれは「個性的」な連中ばかりで…毎日毎日が「アクシデント」の連続という感じで。  担任にしてみれば「骨身が疲れる」クラスじゃったよ。 随分と私にもこぼしておったよ。 「また、アイツらが…」とな。 しかし、そんなときの彼の顔は、何処か嬉しそうじゃった。 どこかそれは、クラスの生徒達と「同じような」笑顔で…苦笑いしておった。 …教師生活四十五年。 しかし、そんな中で、あれほどの「信頼感」を「お互い」が持っているクラスは、数えるほどしか無かった。 …自分で担当したクラスを含めても…無かった。 それほど「稀有」な事だったのじゃ。 「生徒達」には、それぞれの歴史(ヒストリィ)が有る。 …そこには一人一人の「傷跡」も存在するということじゃ。 「それ」を乗り越え、また、新しい歴史を作って行く…「青春」というものは過酷じゃな…じゃが、それを成し遂げようという「若さ」が「彼等」には有った。 彼等は、互いの「道」を進み続けて行くことを躊躇わなかった。 そんな中で発生する「衝突」に、逃げずに向かって行く「勇気」も持ち合わせておった。 一方で教師はといえば、その渦の「中心」で、心を「裸」にして立ち続ける道を選んだ。 …時に剥き出しになる生徒達の「若さ」という「刃物」に、逃げずに自らを曝け出すという道を選んだのじゃ。 「冬枯れ」の、落葉松の木立のように、な…。 …こんな関係を、一言で何と言えば良いのじゃ?。 ワシには「信頼」という言葉しか、思いつかんかったよ…。 現在(いま)、こんな関係を持っているクラスや、その担任は、この国にどれぐらい居るのじゃろう?。 「深いところ」で互いの「存在」を認め合える…そういう教育現場は、どれくらい存在しているんじゃろうか?。 …荒れるばかりの教室。 自分のやるべきことが見えずに、呆然と立ちすくむ教師達…。 …彼等は中学の「三年間」を「どのような時間」として認識しているんじゃろうか?。 後になって思い出したときに 「あの時代は…」と、苦い顔をして誰かに話すようであって欲しくは無い!!。 …話すときに、自然と笑みが零れるような…そんな時代であって欲しいと思う。 …ワシも単なる「思い出話」として、彼等の話しを語りたくは無いんじゃ…。 「あの時間」を思い返すことで…何かがきっと変わる…そう、信じたいんじゃな。 ふうぅ…久しぶりの「熱弁」で、ちと、疲れたようです…。 この辺で、切り上げにさせていただきます。 みなさん…どうも御清聴有難う御座いました。 今度は…いや、また「今度」が有るかは…まあ、判りませんが…お話の機会が有れば、今日の話の詳しい「エピソード」など織り交ぜて話してみたい、と思っとります。   …では、また。

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